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2025-04-15津田

そのポップアップは本当に必要?

こんにちは、津田です。

Webサイトや広告の手法のひとつに、「ポップアップ」というものがあります。
ユーザーがサイトを閲覧しているとき、自動的に(あるいは特定の動作をしたときに)表示される小さな窓(ウインドウ)のことです。
皆さんも一度は遭遇したことがあるのではないでしょうか。

また、ポップアップと似たような方法で、「モーダル」と呼ばれるものもあります。
ポップアップと実装方法は異なりますが、「現在見ている内容よりも優先的に表示される」という点は共通です。

ポップアップやモーダルが最も必要とされるのはどんな場面でしょうか。
それは、「そこに書かれた情報を知らないと、そのユーザが確実に不利益を被ることになる場合」です。
たとえば防災に関わるサイトなら、現在出ている緊急情報を強制的に出さないと、ユーザがその情報に辿り着けず、ときには命に関わることもあるでしょう。
他にもいろいろな例がありますが、とにかく「強制力をもって見せるべき緊急性の高い情報」に用いるのが適切であるといえます。

ところで、Webを巡回しているとよく見かけるのが、「広告やキャンペーンの宣伝をポップアップやモーダルで見せる」というもの。
自動的に開くコンテンツなのだから、自動的にユーザの目に留まります。
わかります、せっかくやっているキャンペーンなのだから、知ってほしいですよね、見てほしいですよね、わかります。

でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。
たとえばスーパーで買い物をしているとしましょう。
今夜のおかずは何にしよう、と、野菜売り場をさまよっているとき、突然目の前を遮るように、「キャンペーンやってます!よろしくお願いします!」とチラシを渡されたら……みなさん、それを素直に読もうと思いますか?
あるいは、頼んでもないのに街頭でいきなり渡されるチラシの内容を、みなさんは逐一覚えているでしょうか?
ポップアップやモーダルは、確かに「強制的に情報を見せる」ことができる手法です。
しかし、「強制的に見せられた情報」が「ユーザの興味を引く」とは限らない、それどころか逆効果になることも十分にあるのです。
本当に読んでほしいなら、ユーザが自然にその情報に辿り着くような情報設計を考えるのが最も効果的です。

また、Webを閲覧する際、読み上げ機能という、耳から得る情報で閲覧する方々もいらっしゃいます。
読み上げは、目でページ全体を見るときと異なり、いっときにひとつの情報しか入れることができません。
探している情報と関係のないコンテンツをいきなり読み上げられたら、音を頼りにページの内容を把握しているユーザは混乱して迷子になってしまうでしょう。
そういう場面を考慮しても、「見てほしい、知ってほしい情報をポップアップやモーダルに入れる」という方法は万能ではないのです。

どんな手法にも、「その手法を用いるのが最も望ましい場面」と「その手法は避けた方がいい場面」があります。
そのポップアップやモーダルは、そこに本当に必要なんだろうか?
そうした点に着目していくと、サイトのユーザ体験がまたひとつ良質なものになっていくでしょう。
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