2025-02-27津田
手掛かりを複数設けること
時々用事があって博多駅の方へ出ます。
近年では地下鉄空港線だけでなく地下鉄七隈線も博多まで延伸し、随分と便利になりましたね。
地上の博多口方面を出てコンコースの真下あたり、階段とエスカレーターを併設する西14番出口が地下から伸びています。
ここの出口看板をちょっと見上げてみてください。
オレンジの地下鉄マークと緑の地下鉄マークが並んでいます。
福岡住まいの方ならきっと馴染みがありますね。そう、オレンジが空港線、緑が七隈線のマークです。
でも、福岡に詳しくない人がこの看板を見たらどうでしょう?
「電車のマークはわかるけど、この緑とオレンジの違いは何?空港線に乗らないといけないんだけど、このどっちかがそうなのかな?」
となるのではないでしょうか(博多を通っている地下鉄は空港線と七隈線だけですが、それも福岡に詳しくないとわからないですよね)。
また、
「自分の目ではこの二つの違いがよくわからないんだ」
という方もいらっしゃるでしょう。
この二つのマークにおいて、その違いを示すものは「色」しかありません。
この、「差異を表す基準が一種類(ここでは「色」)しかない」というのは、現実世界でもWebでも大変使いにくい仕様です。
特に、よく使われる「色の違い」というのは、「この色は何を表している」という大前提の約束事が世間に広く共有されていないと、誰にとってもわかりにくくなります(東京の地下鉄網なんか本当に大変だと思います)。
もちろん、「色の差異を使うな」ということではありません。
色の差異のほか、例えばマークの形そのものに差異をつけるとか、それぞれのマークの下に「空港線」「七隈線」とテキストを添えてあげるとか、それだけでもぐっと使いやすくなりますよ、というお話なのです。
違いを判断するための手掛かりは複数設ける。
これを意識すると、Webに限らずいろいろなものが使いやすくなっていくでしょう。