「気をつける」より……
みなさま、年末年始はどのようにお過ごしでしたでしょうか。
私は実家で大掃除に勤しんでおりました。
掃除の最中、家具に頭をぶつけてこぶを作ってしまいました。
そういえば他の家族もここによくぶつかってるな、気をつけないと……まで考えたところで、「いや、気をつけられないからみんなたびたびぶつけているのでは?」と思い直しました。
人間、「常に気をつける」なんて高度な芸当はできないように作られているのだと思います。
少なくとも私にはできません。
というわけで、ぶつけやすいところにはクッションを巻くようにしました。
これで、「ぶつかっても(そんなに)痛くない」、つまり「気をつけなくてもいい状態」の完成です。
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仕事をしている中で、そもそも生きて生活している中で、「気をつけないといけないこと」というのは星の数ほどあります。
そのうち、「常に気をつけていられること」というのは、(個人差もあるとは思いますが)果たして何割ほどなのでしょうか。
私は自分の記憶力や注意力というものに自信がありません。
ですから、何かタスクが発生したとき、まず考えるのは「気をつけなくてもいいようにするにはどうするか」です。この発想こそが、古来「自動化」「システム化」というものの萌芽だったのではないかと思います。
「ルール化」ももちろん大事ですが、それが「〜する(ように気をつける)」で終わっている場合、それは多くの場合、遅かれ早かれ形骸化してしまいます。
ルール化するのであれば、「〜したら〜しないと手続きが完了しない」までできるのが理想です(もちろん、法的・電子的なシステムが噛ませられるような場合ですが)。
そこまで大きな話にならないまでも、「気をつけよう」「覚えておこう」といった言葉で終わってしまうタスクには、多くの場合、改善の余地があります。
人間の記憶力や注意力といった能動的な力に依存するものは、必ずヒューマンエラーや処理漏れが起こり、人間がやるべき手数が増えるほど、そのエラー率はねずみ算式に膨れ上がっていきます。
ですから、機械などで「システム化」ができるものは、できる限りシステム化したいですね。
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もちろんこれは、仕事を取り巻く環境であったり、システム化に割けるリソースがどれだけあるかで、できる範囲が変わってきます。
今の自分ができる範囲でコツコツとやっていくのが現実的だと思います。
私がよくやるのは、「そのタスクに関係するメールにアラームを設定する」です(メーラーにアラーム機能がついている場合)。
「◯日に◯◯する」といったピンポイントで日付の決まったタスクには比較的有効です。
「◯日までに◯◯する」といった期限型の場合は、「常に目につくところ(なるべく邪魔になるところ)」にふせんなどでタスクを書いておく、といった方法が有効でしょう。
デジタルであれアナログであれ、「わざわざ気をつけなくてもいい機能」をいかに活用できるかが、失敗を減らすための鍵なのではないかと思います。
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「気をつける」で終わりそうになったら、「機能をつける」にシフトする。
いわゆる「車輪の再発明」のような結論ではありますが、これを今年一年の抱負としていきたいと思います。